夜の世界でしか生きられない吸血鬼と人間の少女の禁断の恋物語。
舞台は中世ヨーロッパ。闇に包まれ豪雨と雷が鳴り響く夜。 街に遊びに来ていた1人の少女は家族とはぐれてしまい路頭に 彷徨っていたところ、目の前に不気味に佇む古い洋館を見つける。 雨宿りくらいなら・・・そう思った少女は大きな扉を開けた。 しかしそこは夜の闇の世界でしか生きられない主の館・・・ 少女はいつの間にか吸血鬼の城へ迷い込んでしまったのだった
城の主である吸血鬼は城内に迷い込んだ少女を玉座から見下ろした。 「こんなに美しい少女は見たことがない・・・汚れのない純正の人間の血」 吸血鬼は処女の生き血を奪うために少女に近づくが 次第に彼女の無垢な優しさにひかれ恋に落ちてしまう。 城の中を無邪気に駆け回る彼女は時折大人っぽい仕草も 見せ、それが吸血鬼の心を癒していった。
城を守るゴースト達が少女と吸血鬼のために食事会を 開いてくれた。目の前に広がる贅沢な食事と幽霊達の華麗な ダンスが2人の仲をより一層親密にさせていくのだった。 食事が終わると吸血鬼は少女に真っ赤なルビーのネックレスを プレゼントした。少女ははにかみながらそれを受け取り首に飾った。
ある夜、吸血鬼は少女に本当のことを打ち明けた。
自分は処女の生き血が目的でお前に近づいたのだと・・・!
少女は深く傷付き、その場に倒れ込み気を失った。
男は夜中葛藤に悩まされた。少女の生き血を吸うか否か・・・
しかし吸血鬼の本来の衝動はとめられなかった。
少女の首筋にキバを向く・・・!
その瞬間、少女の目から一粒の涙が流れた・・・
・
・
・
吸血鬼はその涙により心が浄化されていく・・・・・・
自分が少女を愛したことは嘘偽りのない本心だと確信するかのように。
しかし人間の少女との恋など許されるはずもなく
魔界の王から吸血鬼へ厳しい処分の儀式がなされ、
直ちに少女は人間界へ還されることになった・・・
・
・
・
目が覚めると少女はだだっ広い野原に横たわっており、さっきまで
あったはずの城がどこにも見当たらない。遠くには家族とはぐれた街が
見えた。夢だったのか?彼女はふと自分の胸に手を当てた。
そこには確かにルビーのネックレスが眩いばかりに輝いている。
吸血鬼の愛は本物だった。そう強く感じそれを力いっぱい握り締めた・・・。
そしてこのネックレスには吸血鬼の愛が宿り、自分を守ってくれると
信じて生涯大切にすることを心に誓った。
寒い季節がくると思い出す。あの事故で失った愛しい人のことを。 凍て付くような夜だった。周りが見えないほどの吹雪だった。 ・・・毎年この場所に捧げよう。あの時と同じ真っ白い雪の様な花束を
暗黒の力で支配された血塗られたドレスを着た少女が、狂乱しながらも自分の心までは支配されない様に踏みとどまる!悪の心に蝕まれていく葛藤とは・・・
私は孤独な薔薇。誇り高き宮殿で残酷な情景を見てきた私は、 その戦いの血の赤と華の情熱の赤とをこのからだに染み付ける