サイト概要

当サイトは、東 瑠利子のオリジナル楽曲とメタル音楽レビューを公開しております。メロディアスな旋律と、ゴージャスに音色を駆使したパワフルで疾走感溢れるヘヴィサウンド、激しく展開するファンタジーで勇壮で感動的な世界をお届けします。現在ダウンロードできる楽曲は50曲以上ありますので、普段の音楽鑑賞用に、通勤通学のお供にmp3プレイヤなどに入れて聴いて楽しんでください。 著作権は放棄しておりません。当サイト全ての内容はリンク報告無しでの転載、また改変、再配布、直リンク、商用利用などは固く禁じております。すべての内容は日本の著作権法及び国際条約に保護を受けています。東 瑠利子の自己紹介はこちら

『Slania』 - ELUVEITIE

2008年02月15日

CDジャケット画像
  • ジャンル:メロディックフォークデスメタル
  • 国籍:スイス
  • リリース:2008年2月15日
  • 通算:2ndアルバム
満足度:86

このバンドは、バンドサウンド以外のアコースティック楽器パートも全て生音で、専門の奏者も存在し8人の大所帯となっており、フォーク・メタルとして理想的なサウンドを作り出している。一方で純粋なるメロディック・デスメタルとして魅力も備えており、基本的には北欧のメロデス作品そのものと言える楽曲構成に、笛が乱舞する等のフォークの要素が絡んでいるという感じだ。ギターのメロディやサウンドの質は同郷のIN FLAMESを想起させるパートもある。

更に疾走パート等では、メロデスとして充分なアグレッションも備え、特に疾走パートがブルータルですらある#6「Bloodstained Ground」は、笛の乱舞にパワーとスピードが融合してリスナーに畳み掛ける名曲だ。メロデスは好きだがフォークメタルはちょっと、、という人にも大いにアピールできる作品と言えるほど、限りなくメロデス寄りな作品だ。

プロダクションも最高で、生楽器の音は勿論バンドサウンドも完璧だ。ギターの切れ味、ドラムの響き、ベースの量感など全てがA級クォリティ。個人的にはもっとメロディがクサければより良かったが、充分に楽しめた作品だ。#3「Inis Mona」のメロディは特に印象的で、フォーキッシュなサウンドや刺激的なギターリフと相まって、何度聴いても感動させられる。(雷X)

『xGODx』 - SERPENT

2008年01月01日

CDジャケット画像
  • ジャンル:メロディックデスメタル
  • 国籍:日本
  • リリース:2008年
  • 通算:2ndアルバム
満足度:86

前作において、ダークでクラシカル、そして日本人好みのクサい激情メロディをもって我らクサメタラーを悶絶させてくれたこのバンドは、この2ndにおいてもやはり同様の音楽性で悶絶させてくれるが、前作ほどにクサメロが前面に押し出されているという感じではなく、バンド全体のアンサンブルに重きをおいている印象を受ける。死ぬほどのクサメロを期待すると「前作の方が上」と感じるところだが、メロデスの魅力、すなわち美しいメロディとブルータリティの融合という点においては、更に進化していると言えるかもしれない。

加えてサウンドはよりクリアに、北欧のトップクラスのメロデスバンドと同等のクォリティを備えた。全ての楽器の分離がよくソリッドな理想的なサウンドに仕上がっており、これが前述のメロデスの魅力との相乗効果で、極上の刺激をもたらしてくれる。このハイクォリティなサウンドにクサメロはやや引き気味ということで、聴いていると日本のバンドであることを忘れそうになるが、時折挟まれる劇的なメロディ展開で、やはり日本のバンドということを思い出させてくれるという感じだ。

ベストチューンはドラマティックな展開と美しいギターメロディが印象に残る、#2「Cannibalistic Dream」で、楽曲的に1stの方向性も感じさせるメロディック全開な雰囲気がたまらない! #3「Devil In A Dream」の2分過ぎのメロディやその後のクラシカルな展開、#4「Plastic Arts」も素晴らしく、特に2分30秒過ぎが最高のパートだ。

ただオレにとって、前作の「Siren Night」級の究極のネオクラクサメロフレーズが無かったのが唯一の残念な点で、この作品の方向性はいいと感じるが、1曲ぐらいは恥ずかしいぐらいのクサいメロディを撒き散らした楽曲があってもよかったと思う。(雷X)

『Secrets Of An Island』 - SIX MAGICS

2005年03月31日

CDジャケット画像
  • ジャンル:シンフォニックメタル
  • 国籍:チリ
  • リリース:2005年3月31日
  • 通算:2ndアルバム
満足度:85

2001年に彗星のごとく現れたチリのシンフォニックメタルバンド。そのクオリティの高さに、当時、シンフォニックメタルといえば、欧州圏が素晴らしいという概念を覆すものであったようだ。1曲目の静かなインストから一転して2曲目「Chaos And Fury」はゴージャスなパワフルチューン! 民謡っぽいフレーズも取り入れつつ、急にバロックやクラシックの要素が出てきたりと曲調が1つに定まらないのだがそれが意外に心地よく楽しめる。4曲目「Chiloe, The Creation」はアグレッシヴなリフに美しいヴァイオリンのメロディで幕を開ける。サビでは派手なコーラスを用いてファンタスティックな展開。そこから間奏→Gソロへと続く展開がとにかく美しく素晴らしい。

Caleuche (The Flying Dutchman)」は分厚いコーラスと、ミュートの効いた演奏が曲にメリハリを持たせているパワーソング。アレンジに終始流れる様なピアノを多様するなど、個性的。個人的に、9曲目「Brutal Sacrilege」が好きで、クラシカルな展開と、オペラティックなストーリーにまるでミュージカルが繰り広げられているかのような錯覚を覚えた。

ちなみにこのアルバムは全部で17曲あるが、前半は1曲おきに短いインスト、中間から後半では数曲おきにインストが差し込まれている構成になっている。そのあまりに派手なパフォーマンスの曲が続くので間にインストを挟んでその豪快シンフォニックを楽しんでもらおうという考えと、チロエ島で起こったチリの神話に基づいて書かれたコンセプトアルバムということもあり、ストーリー性を重視しているというもの。とにかくド派手で大げさまでに繰り広げられる分厚いコーラスの嵐、(その分、Voが少し引き気味に弱く感じられるところもあるが)Rhapsodyに匹敵するくらい豪快なシンフォニックサウンドを楽しめるし、コンセプトアルバム好きにはたまらない一品!

『Sonic Firestorm』 - DRAGONFORCE

2004年05月11日

CDジャケット画像
  • ジャンル:メロディックスピードパワーメタル
  • 国籍:イギリス
  • リリース:2004年5月11日
  • 通算:2ndアルバム
満足度:86

これまでのメロディック・スピードメタルにおいての速度の常識を見事に打ち破ったExtreme Melodic Speed Power Metal Bandを名乗るこのバンドの2ndは、前作以上に疾走に拘った作品となった。何しろ前作でさえ激速と言われたのに、全体の平均速度が更に上がっているのが凄い。よって前作の疾走感が気に入った人は迷わず買いと言える。速さ以外の音楽性は1stと全く変わっていないようだ。

ドラマーが交代しており、前作のような派手なプレイから、安定感のあるドラミングに変わったという感じがする。ブラストビート導入はこのバンドが徹底的にExtreme Melodic Speed Power Metalに拘っているということを象徴しているようだ。個人的には前のドラマーのプレイが好きだが、聴き比べてみたら新作のこのプレイもいいと感じた。

1曲目「My Spirit Will Go On」がベストチューンで、この曲は速いだけではなくメロディが極めてキャッチーな上に、メロの魅力を殺さない流麗な展開によって覚えやすい曲となっているようだ。前作の「Valley Of The Dammed」でも聴けた2段構えとも言えるサビメロが興奮を呼び起こす!

日本盤ボーナストラックである9曲目の「Cry Of The Brave」に要注目で、この楽曲は今までこの世の中に送り出されたあらゆるメロディックスピードメタルの中でも最高速を誇る楽曲で、そのテンポはBPM215! スラッシュメタルやデスメタルでは日常茶飯事のこの速度だが、共に美しいメロディが繰り出されることで、 新鮮極まりないし衝撃もすさまじい。

メロディがありきたりだとか、使い回しが多いとか様々な批判もあるこのバンドだが、ここまで強い信念を持って疾走メロディックスピードメタラーであることを貫いてくれることだけでも貴重な存在だと思う。(雷X)

タグ:DRAGONFORCE

『Dark Moor』 - DARK MOOR

2003年12月17日

CDジャケット画像
  • ジャンル:シンフォニックメタル
  • 国籍:スペイン
  • リリース:2003年12月17日
  • 通算:4thアルバム
満足度:86

バンドのリーダーであるギタリストのエンリク・ガルシアとベーシスト以外全員脱退という状況で生み出された4thアルバム。前作までおそらく曲作りに大きく関わっていたと思われるロベルト・PCアルベルト・マロート、両者の脱退によってどんな音楽的変化がもたらされているのだろうか? とか思ったりしながら聴き込んだ。

ヴォーカルは前任ヴォーカリストであったエリサ・C・マルティンに声がそっくりで違和感がない。よくぞ別姓でここまで似た声のヴォーカルを見つけたものだと最初思った。でもBURRN!のインタビューでは似た声の人を見つけようと意識はしなかったらしい。

ヴォーカル以外で最初に感じるのは、同じBURRN!のインタビューでエンリクが語った通り、ギターを前面に出したプロダクションがなされていること。これがヘッドフォンで聴いていると「メタルを聴いている」という感じで大変心地よい。そしてそれでもバックのオーケストレーションは埋もれることなく、前作以上にきめ細かいアレンジとクリアなサウンドは、究極のシンフォニックメタルであることを主張しているかのようだ。

音楽的には前作までに見られた限りなくキャッチーでクサいメロディを乗せて一直線に疾走するということが無くなった。4、5、6曲目には劇メロ疾走パートはあるが、メロディのクサさと勢いが減退し、洗練という言葉が似合うパートとなっている。

最高だったのは12曲目「The Dark Moor」で、妖しげなメロディとクラシカルな要素をふんだんに盛り込んだパートがめくるめく展開をみせるのに興奮!

結局、2人有能な作編曲家脱退の影響は特に感じず、今作では全ての曲を書いているエンリク・ガルシアが、前作までのような劇的に疾走する、というスタイルに飽きたのかな、と思わせることが多い作品であった。これはバンドにとっては進歩なのかもしれないが、メロパワ/メロスピファンにとっては、前作までの「一聴してガッツポーズ!」が無くなったのが物足りなさを感じる部分だ。(雷X)

『Valley Of The Dammed』 - DRAGONFORCE

2003年02月25日

CDジャケット画像
  • ジャンル:メロディックスピード/パワーメタル
  • 国籍:イギリス
  • リリース:2003年2月25日
  • 通算:1stアルバム
満足度:86

自らメロディック・スピード・パワーメタルを名乗るバンドで、他のメロディックスピードメタルを遥かに凌駕したスピードの楽曲を聴かせることで一躍有名になった。

メロディは正直、感動できるようなものではなく、オレの感覚ではありふれたメロディラインとしか感じられない。このメロディが素晴らしいというファンも沢山いるのだろうが、オレにはあくまでこのスピード感と合わさることによって引き立っているメロディだと感じた。

それよりもこのバンドの最大の特徴はスピードであり、そのスピード感を極上のテクニックで演出しているのが、何といってもインパクト充分のそのドラミングだ。激烈な速さのビートを正確に叩いているのは勿論のこと、リズム感と細かいフレージング、バスドラワークが大変気持ちよく楽曲のスピード感を更にアップさせている。

ベストチューンは「Valley Of The Dammed」、次点が「Evening Star」だ。「Valley Of The Dammed」いいところは、Aメロでドラムが普通の8ビートを叩いているのにギターはすでに高速刻みのバッキングで、 Aメロ繰り返しのところで激烈疾走となるという展開が刺激的で、そしてスネア表打ち⇒裏打ちの劇的な2段構えのサビメロというこの2点が特に素晴らしいと感じた。(雷X 2016/10/18修正)

タグ:DRAGONFORCE

『Travesty』 - GRAND DESIGN

2003年01月01日

CDジャケット画像
  • ジャンル:メロディックパワーメタル
  • 国籍:日本
  • リリース:2003年
  • 通算:1stデモCD-R

満足度:86

シンフォニックでネオクラシカルなメタルを演奏している日本のバンドのデモCD-R。他の同じような音楽性のバンドと比較して作曲、アレンジ技術は抜きん出ていると感じた。この音楽性は私が当サイトのレビューでも絶賛したNEMESISに相通じるものがある。自主制作盤で音質は悪くDTMっぽさも感じられるが、非常に高いレヴェルの音楽性が補って余りあると言えよう。

#1「Until We Fall」は哀愁と爽快感が同居するネオクラクサメタルで最強の悶涙曲だ。A、Bメロの展開とコーラスワーク、サビメロの盛り上がり等、全てが最高! #2「Dark Testimony」も、テンポとサウンドから少しタルい感じがするも、やはり音楽的な完成度の高さが感じられ、キャッチーなサビメロと絶品のソロパートで充分満足だ。#3「Summer 17th」はバラードで、ここでもメロディセンスは存分に発揮されるが、ヴォーカルが少し目立ちすぎかな?と感じた。

#4「Sniper」は、スピード感溢れるリズムに、切れ味を感じるA、Bメロと伸びやかなサビメロが美麗な展開を生み出していると言えよう。#5「Sky High」は曲名の通り青空に飛び立つようなイメージがあり、ソロパートはV2(YOSHIKIと小室のプロジェクト)の曲を思い出した。#6「Precious One」は、パッヘルベルのカノンのコード進行で疾走する極めて明るいメロディは、メタルとしてはあまりにも爽やかすぎると感じる程の爽快メロで悶涙させてくれる疾走曲だ。エルガーの威風堂々のメロディをソロに導入したのも決まっている。

作品全体の満足度はそこらのメロパワ/メロスピ以上で、特に#1,2,4が最高だ! これ程の作曲力がありながら現在は活動をしていないということで少し残念だ。この作品はサウンド的にもう少しパワフルな感じを出してほしかった(特にドラムの薄いサウンドは難点だった)が、プロダクションが向上すれば改善され、更なる衝撃を与えてくれただろうに。(雷X)

『Beyond Reality』 - DREAMTALE

2002年12月02日

CDジャケット画像
  • ジャンル:メロディックスピードメタル
  • 国籍:フィンランド
  • リリース:2002年12月2日
  • 通算:1stアルバム
満足度:86

ヴォーカル、ツインリードギターの哀愁メロディが特に印象深く、全編に渡るロマンティックな激メロに涙できる作品だ。サウンドも煌びやかに疾走するもので、徹頭徹尾美しく流麗な音楽を楽しませてくれるが、代わりヘヴィ・メタルらしいパワーや熱さは控え目となっている。

1曲目のイントロは、哀しげなピアノからヘヴィなギターが重なる感動的なメロディの曲で、米国映画「The Rock」のサントラからのメロディをアレンジしたものとなっておりイントロに相応しいと言える。ちなみに同メロディはCHILDREN OF BODOMのライブ盤「東京戦心」でも使用されていた。

そしてそれに続く2曲目はSONATA ARCTICA2nd「Silence」のイントロ〜2曲目を意識したと思われる入り方で、歌メロもツインリードも極めて美麗で涙が溢れそうだ。 そして3曲目は更に疾走、ハイスピードと劇メロが合わさって涙を誘うアルバム内でベストチューンだ。8曲目も同様に素晴らしく、美麗メロで疾走する曲を聴きたい人は必聴盤と言えよう!(雷X)

『El Sello de los Tiempos』 - WARCRY

2002年12月01日

CDジャケット画像
  • ジャンル:メロディックパワーメタル
  • 国籍:スペイン
  • リリース:2002年12月1日
  • 通算:2ndアルバム
満足度:86

クッサクサなメロディをスパニッシュで熱く歌い上げ、またギターの激情メロディが涙を誘うスパニッシュ・メロディックパワーメタルの決定版と言えるバンドだ。音楽性は正統派メロパワで、サウンド、演奏、ヴォーカル共に、B級バンドとしてはけっこうレベルが高く、聴き手の興奮を高める熱いサウンドを作り出している。

時折入るツインリードギターは究極的なメロディアスさと言えよう。また、ヴォーカルの声質は少しダミ声気味のところもあり、それがまた熱さを感じさせる要因となっている。ただ、メロディの質はというと、Eagle Fly Freeのような突き抜けるような爽快感ではなく、少し陰のある叙情メロディといったものになっており、爽快感、爆裂感を求める人には少し物足りないかもしれない。

最高なのはやはり疾走曲の#2「Alejandro」で、チェンバロが入る期待感を持たせる展開〜ツインリードで既に名曲の予感がし、Bメロ〜サビメロの流麗で熱い展開に悶絶する。そしてAメロが変化したメロディからソロ、サビ、ソロ、イントロ+コーラス、サビへと続く展開が飽きさせない。また#7「Un Lugar」も疾走とフックのある展開が気持ちよく、サビメロも盛り上がっているし気に入った。(雷X)

『The Promise』 - FORGOTTEN TALES

2002年01月01日

CDジャケット画像
  • ジャンル:メロディックスピードメタル
  • 国籍:カナダ
  • リリース:2002年
  • 通算:1stアルバム
満足度:86

クサメタル作品の中でもトップクラスのクサさと言えるクサメロを女性ヴォーカルが歌い上げ、サウンドはファンタスティックで壮麗なメロディックスピードメタル作品だ。特に、6曲目のあまりのクサさには、疾走感も伴ってには嬉しさ爆発! 他の曲も全てがクサメロで、とにかくクサくて速くてファンタジーという音楽性が好きな人は気に入る作品だろう。

無名だったバンドの1stだから仕方ないが、サウンドが薄く、鋭さと重さが足りないギター、まるで打ち込みのようなドラム、安っぽいオーケストレーションに萎えることもある。また、ヴォーカルハーモニーやクワイアコーラスをもっと多用した方がいいと感じたが、これは女性Voの美声を際立たせる為に、単音パート中心にしたのかもしれない。

しかし、キャッチーなクサメロ、クラシカルなメロディと展開、ロマンティックなサウンドなど、作曲面での才能は相当なものがあると思うので、これからに期待できるバンドだと聴いた当初感じていた。(雷X)

『Dreams Of Endless War』 - NORTHER

2001年07月18日

CDジャケット画像
  • ジャンル:メロディックデスメタル
  • 国籍:フィンランド
  • リリース:2002年7月18日
  • 通算:1stアルバム
満足度:84

サウンド的にはCHILDREN OF BODOMが最も近く、パクリに近いと言えるパートもあるが、曲調はよりストレートであり裏打ち疾走パートも多い。それにSONATA ARCTICAのようなメロディや煌びやかなアレンジを組み合わせたメロデスを演奏しており、疾走感と北欧独特の冷たさを感じる叙情メロディの融合が特に印象的だ。

メロディ、展開などはありがちなものが殆どで、このバンドならでは、という強い個性はあまり感じられず、それが飽きやすいことにつながるかもしれない。しかしクサい叙情メロディに疾走ビートがあればとりあえずOK、というメロスパーにとっては歓迎できることであろう。

私にとっては全体的にもう少し曲構成に捻りが欲しいという感じだったが、#3「Released」は、捻りなどなくても充分な即効性と殺傷力のあるキラーチューンで、寒々しいギターリフ、疾走感とピロピロというキーボード、そしてギターの劇メロで充分に悶絶だ!

そして#6「Victorious One」のあまりにも劇的で壮絶な展開とサウンド、そしてギターの切ないクサメロにはもっていかれそうになった! #9はカバー曲となり、それを除くとアルバムは非常に短く、捨て曲は無いのだが、もう少し凝ったことを試みてほしかったと感じた。(雷X)

『Awakening the World』 - LOST HORIZON

2001年05月08日

CDジャケット画像
  • ジャンル:メロディックパワーメタル
  • 国籍:スウェーデン
  • リリース:2001年5月8日
  • 通算:1stアルバム
満足度:84

このバンドのコンセプトは、映画「ハイランダー」シリーズに基づいているとのことで、元々のバンド名もHIGHLANDERだったが、同名バンドがいたためにこのバンド名でデビューした。メンバーは、ハイランダーの世界観を元に、自分たちの音楽を通して、世界を変えるというヴィジョンを持った熱きメタル戦士たちで、あのMANOWARにも通じるアティテュードを持っていると言える。

バンドの思想を表現したそのアグレッシブなパワーメタルは、とてつもなく熱く、とてつもなく漢臭い雰囲気を生み出している。楽曲の完成度、演奏力、プロダクション、全てにおいてデビュー盤とは思えないクォリティで、彼らの思想を表現するに充分の説得力を備えていると言えよう。特にヴォーカルの力量は圧倒的だ!

アップテンポ曲#2「Heart Of Storm」が流れるや否や、速攻で体が沸騰していくような感覚を覚える。この熱気、ライブで思いっきり盛り上がりたい曲だ! そして#2「Sworn In The Metal Wind」が最強だ! 旧き良き正統派メタルの曲調で疾走しているという感じで、決してクサいメロディというわけではないが、その熱さとパワーでクサメタラーも悶絶必至、死ぬほどのヘッドバンキングとなろう!

#3では北欧のバンドらしい透明感あるインストを聴かせ、続く#4「World Through My Fateless Eyes」も、北欧のバンドらしさを感じさせる透き通ったサウンドに美しいメロディが印象に残り、ただ熱いだけのバンドではない柔軟さも備えていることが分かる。その後も、熱さも北欧っぽさもふんだんに取り入れたパワーメタルが続き、決して駄曲は存在しない。

音楽的にはメロスピというより正統派メタルに近いと言え、私はこの作品の発表当時、SONATA ARCTICA、HEAVENLY、DARK MOORなどをよく聴いていて、正直それら程にヘヴィーローテはしなかったが、クサいメロディ、シンフォニックで大仰なアレンジといったサウンドを求める生粋のクサメタラーであっても、このバンドは聴く価値が大いにあると思う。

『At The Gates Of Utopia』 - STORMLORD

2001年01月01日

CDジャケット画像
  • ジャンル:シンフォニックブラックメタル
  • 国籍:イタリア
  • リリース:2001年
  • 通算:2ndアルバム
満足度:84

ライナーノーツにはエピック・ブラック・メタルと書かれており、ブラックメタルならではの暴虐性の感じられるサウンドやアレンジに、RPGゲーム音楽風のファンタジー風味すら感じさせる劇メロが融合しているという音楽性だ。暑苦しさも感じさせる劇メロからもイタリアのバンドということを感じさせる。デス声がOKでシンフォニックメタルが好きならば、ブラックメタルは聴かないという人でも聴いてみる価値はある音楽性と言えよう。

シンフォニックとは言っても特に複雑なオーケストレーションがあるという訳ではなく、バンドサウンドはひたすらスラッシーに疾走ビートを刻み込み、その上にストリングスの劇メロが乗っかっているという感じなので、ストレートにパワーとメロディを楽しめる反面、エピック・ブラックメタルと言えるバンドの代表格であるBAL-SAGOTHのように、シンフォニックメタルならではのアレンジの妙を感じることは無く、その点においてオレは少し物足りなさを感じた。

しかし、特に#5「At The Gates Of Utopia」の、いかにもRPGっぽい音楽から#6「The Curse Of Medusa」の、いきなり極めてクサい劇メロで疾走してくれたりするのが特に嬉しくて、かなり気に入った作品となった。また演奏のレベルもかなり高く、疾走感、爆裂感が思いっきり出ているのも高ポイントだ。(雷X)

『Castle Of Yesterday』 - REPTILIAN

CDジャケット画像
  • ジャンル:ネオクラシカルメタル
  • 国籍:スウェーデン
  • リリース:2001年
  • 通算:1stアルバム
満足度:86

この作品は、リチャード・アンダーソンのワンマンバンドと言われたMAJESTICを脱退したヴォーカルとドラムによって結成されたバンドで、ネオクラシカルメタルを演奏している。何故レビューを書いたかというと、あまりにも素晴らしいインストゥルメンタル曲が収録されており、この曲を埋もれさせるのは非常に勿体無いと感じたからだ。

その曲とは、モーツァルトのピアノ協奏曲第21番第1楽章の旋律を導入したインストチューンの#4「Skeleton Scales」で、極めて緊張感溢れる展開とメタルサウンドとピアノのリリカルな旋律が相まって至高の楽曲へと昇華している。ところどころ疾走ビート、バックでギターがザクザク刻まれる上でピアノが舞う感覚の何とも素晴らしきことよ。メタル史上に残る名インスト曲となってもおかしくはない完成度で、私の中でイングヴェイ・マルムスティーンの「Far Beyond The Sun」やジェイソン・ベッカーの「Altitudes」に匹敵する名曲だ。

また、この「Skeleton Scales」のピアノのメロディがモティーフとなっているバラード曲「I'll Be Back」も感動させられる。更に#9の疾走ネオクラチューン「Signing Out」も素晴らしい。盛り上がりが計算されたコード進行とメロディと、バックではハープシコードがキラキラと乱舞し、疾走ビートと相まって最上の悶絶を体験させてくれる。

なんでも上記で紹介した曲を作曲したのは、BURRN!のインタビューによると、クラシック音楽を本格的に学んだキーボーディストであり、実際にそういった音楽の作曲もこなしていたとのことで、それも頷けるあまりにも高い作曲能力だ。というわけで非常にお薦めな作品なのだが、ヴォーカルがハスキーなダミ声で好みの別れるところだろう。

『Azeroth』 - AZEROTH 

CDジャケット画像
  • ジャンル:メロディックスピードメタル
  • 国籍:アルゼンチン
  • リリース:2001年
  • 通算:1stアルバム
満足度:86

一部のマニアからは絶賛されていたマイナーなバンドで、音楽性は徹底的にメロディックでスピーディーなもの。ほぼ全曲疾走しているという内容で、HELLOWEENやGAMMA RAYからの影響が大きいと思われるが、様々なフレーズにバラエティ豊かな才能を発揮している。アルゼンチンのバンドなので歌唱は全編スペイン語となっており巻き舌が熱くていい。

特に3曲目「La Salida」は疾走、メロディが合わさった高揚感が最高で、またAメロBメロサビといった構成が無いのも新鮮でいい。当時よく聴いていたマイナーなクサメタル曲の中では最強と感じていた程の名曲だ! また9曲目も民謡調のメロディで疾走して素晴らしい。

現在新品ではおそらく手に入らず、中古CD店で安く売っていたり、逆に、過去ヤフーオークションで10,000円以上で取引されたこともあった貴重盤となっている。(雷X)

『Cydonia』 - CYDONIA

2000年01月01日

CDジャケット画像
  • ジャンル:メロディックパワーメタル
  • 国籍:イタリア
  • リリース:2000年
  • 通算:1stアルバム
満足度:85

このバンドのヴォーカルであるダン・キーリングは、LABYRINTHのオラフ・トーセンとの親交が厚く、そのことからこの作品にはオラフがプロデュース、作曲、一部ギターで参加しており、音楽的にもLABYRINTHに近いと言え、特に強い個性を感じることは無いものの、良質のメロパワと言えるのではないだろうか。

音楽的には、ジャケットのイメージから、宇宙的な暗いイメージの音を想像したが、それとはかけ離れた爽快なメロディのパワーメタルを演奏している。演奏も最高で、全てのパートがしっかりしており、特にドラミングは印象的で、足捌きの巧みさや#3での手数の多いプレイは聴き所だ。ヴォーカルはマイケル・キスク系の歌唱で魅力的な歌を聴かせてくれ、日本盤が出たのも頷けるクォリティを持っている。

#1「The King」はAメロ、Bメロからすると、サビメロの盛り上がりは少し弱いもののそこは巧みなコーラスワークで素晴らしいパートになっているのが印象深い。そして#2「Legend In Time」のBメロには涙! そしてこの作品のベストが#3「Land Of Life」で、強烈な疾走感と共にキャッチーなメロディが駆け巡り、度重なるリズムチェンジでフックのある展開を生み出すことに成功している。特に、最初テンポがスローになり、その後激しく疾走するサビメロにはガッツポーズだ!

その後は特に最高の曲は無いが、1曲の中に必ず聴き所がひとつはあるような佳曲が続く。悪く言えばありがちだが、しかし時にはっとさせられる、このバンドならではの響きを感じる所があっていい感じだ。多くの良作メロパワ/メロスピ作品が登場した2001年において、この作品は埋もれてしまっていた感があったが、改めて聴くと新たな素晴らしさが聴こえてくる作品だ。(雷X 2016/10/17修正)