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当サイトは、東 瑠利子のオリジナル楽曲とメタル音楽レビューを公開しております。メロディアスな旋律と、ゴージャスに音色を駆使したパワフルで疾走感溢れるヘヴィサウンド、激しく展開するファンタジーで勇壮で感動的な世界をお届けします。現在ダウンロードできる楽曲は50曲以上ありますので、普段の音楽鑑賞用に、通勤通学のお供にmp3プレイヤなどに入れて聴いて楽しんでください。 著作権は放棄しておりません。当サイト全ての内容はリンク報告無しでの転載、また改変、再配布、直リンク、商用利用などは固く禁じております。すべての内容は日本の著作権法及び国際条約に保護を受けています。東 瑠利子の自己紹介はこちら

『Dimensions』 - SATURNIAN

2012年08月24日

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  • ジャンル:シンフォニックブラックメタル
  • 国籍:イギリス
  • リリース:2012年8月24日
  • 通算:1stアルバム

満足度:88

Youtubeで数曲試聴したところ、私の好みのドツボにハマったバンドSaturnian。Cradle Of Filthと比較されそうですが、Saturnianのほうが暴や悪が控えめでドラマティックで美麗な感じです。このCDが欲しくて欲しくて早く全曲聴きたくて待ち望んでいただけに思っていた通りの満足感を私に与えてくれました!

1曲目インスト「Construct Illusion」が流れるや否やその美麗で勇壮なオーケストレーションの中に死の世界へ引きずり込まれる様な邪悪さも備えつつ静かに息を飲む様なひんやりとした感じも味わわせてくれる、たった1分半でこれだけの世界観を作ってしまうとは・・・!これがデビュー作とは信じられぬ高クオリティです。

♪2曲目 「Into Etheria」Saturnian

2曲目「Into Etheria」ピアノのアレンジが美しく突き刺さるような冷たさと暴虐さに鳥肌!1分35分〜の女性Voの伸びやかで美しいパートにはブラックメタルなのに心が浄化されるようです。後半にかけて盛り上がりは最高潮であり、キーボードのキラキラパートにチェレスタの可愛らしい響き、デスヴォイスとノーマルの使い分け+ブラストビート、鳴きのギターと畳み掛ける展開も素晴らしい。なんて美しい音楽なのだろうか!!!3曲目「Aphotic」もですが、どの曲もいいところで女性Voの美麗パートが入るのでドキッとします。またそのメロディが美しすぎて涙が出そうです。4曲目「Eternal Eclipse」は展開が劇的すぎて、7分半もあったの!?ってくらいあっという間!全ての展開に意味がある、同じパートを繰り返していてもバックグラウンドのオーケストレーションがその度に1つ1つ違う、アレンジ力に圧倒されます。そしてギターがクサメロ!5曲目「Shadow of Prophecy」イントロであれ?私もう死んじゃったんだ?・・・と錯覚を起こしました(笑)それぐらい前の曲の印象を引きずらないインパクト大ものを持ってくるのも素晴らしい。終始デスヴォイスの裏で優美なギターメロが光る魂の叫びを感じるドラマティックな曲です。6曲目「Traces From the Past」ここで少しバラードかと思いきやそうきたかと驚くようなインタールードです。これも次へ続く暫しの休息を聴く者に与えてくれているのでしょうか。アルバムタイトルチューンを目前に挟むのがまた良い!7曲目「Dimensions」はタイトル曲。デジタルなサウンドとオーケストラ、女性クワイアの融合が凄まじく後半にかけて派手に高揚していきトリップしてしまいます。これぞシンフォニック!マジで気分高まる1曲(笑)8曲目「Origins of the Future」この曲だけ個人的にはイマイチかな。「お〜りジン!」ピロピロピロ〜の連続で耳から離れなくなるけど、思わず弁当!と合いの手を入れたくなるわぁ(←失礼)デジタルサウンド多様。9曲目「The Immaculate Deception」アルバムの最後を締めくくるのは約10分ある曲。こういう大作が好きなのですが期待以上!しかも疾走チューンといっていいほど超高まるー。3分過ぎの鳴きクサギターを挟んでガラッと展開が変わります。ブラストビートを盛り込んで、気分は最高潮に。と思ったら4分過ぎのワンクッションを挟んだらそのままの疾走感のままクワイアを取り入れて更に盛り上がる!これ以上盛り上がっちゃうなんてこの上がまさかあるのか?!と期待しつつ5分半からまた印象を変えて極上ヘヴィサウンド+ブラストビート!!ホントに上があった(笑)6分半すぎからピアノの静寂パートを挟んでシンフォニックで劇的なコーラスパートが!ここからどんどん後半に向けてコーラスは続き裏では鳴きのギターが悶え吠えまくり!この曲1番好きだわ〜!興奮しすぎてヤバいです。10曲目「Wreathed In Flame」ボーナストラックです。曲全体では最もヘヴィなんだけどキャッチーな部分もあってオーオーコーラスもあるし(笑)ザクザクとした刻みと低音が気持ちいいのとデジタル音のアルペジオが美しい。しかもラストは希望に満ち溢れた展開になって涙が出そうです。。。意外性にやられた〜!

いや〜Saturnianいいわ〜〜〜〜〜〜〜〜〜♪♪♪

最近、どれを試聴しても欲しいアルバムがないし、シンフォニックメタルとあっても全然シンフォニックじゃなかったり^^;私の心にグサっとくるような自分の追い求める音楽がなくて、やっと見つけた素晴らしいバンドに心躍りメタル魂が蘇りました。こういうのを待っていた!!

演奏レベルも作曲力もずば抜けて高くデビュー作でこのクオリティなので次作にも期待しています。最近メタルに時間を費やすことで見逃していた素晴らしいバンドを見つけることが出来ました。また私の心を突き動かすいいバンドがあればいいな〜。

『Land Of The Free II』 - GAMMA RAY

2007年11月16日

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  • ジャンル:メロディックパワーメタル
  • 国籍:ドイツ
  • リリース:2007年11月16日
  • 通算:9thアルバム
満足度:89

前作、前々作と、オレ好みのメロディック・パワーメタルというよりも、バンド創設者でありジャーマンメタル・ゴッドとも言われる「神」カイ・ハンセンのルーツであるバンド等からの影響が大きい曲が多く、あまり好きではなかったのに対し、今作は完全なメロディック・パワーメタルを演奏しており、この原点回帰は嬉しい限りだ。あの名作「Land Of The Free」の続編ということで、音楽的に期待するところは大きかったが、その期待に応えた仕上がりとなっている。

ただ、メロディの質感としては、初期〜中期のGAMMA RAYで聴けた徹底的にクサいメロディが満載というわけではなく、正統派ヘヴィ・メタル寄りの感じで、この点においてはクサメタラーにとっては不満があるかもしれない。メロディがつまらないという感想を見たが、その人は私同様メロディのクサさが物足りないと感じたのかもしれない。

しかしその中でも「To Mother Earth」が激烈疾走クサメロで私を最も興奮させてくれた。AメロがHEAVENLY3rdの「Fight For Deliverance」のAメロを思い出させ、BメロがHELLOWEENの名曲「How Many Tears」のBメロにそっくり、間奏最後のソロが「Eagle Fly Free」のソロっぽいのが面白いが、そこは「神」カイハンセンだ。パクリっぽいと言えども私を大満足させる曲の仕上がりとなっている!

その他特にお気に入りの曲は、まずは「From The Ashes」は正統派メロディックメタルのおいしさと疾走クサタルのおいしさが両方味わえて、クサカッコいいと言える。「When The World」は切れ味鋭い疾走感とメロディ、絶妙なる展開が味わえる。間奏の構成は見事としか言いようが無い。

圧巻は「Insurrection」で、名作「Land Of The Free」の1曲目の名曲「Rebellion In Dreamland」を思い起こさせる曲で、カイの作曲家としての才能が存分に発揮されている劇的な大作曲で感動した。

あと、プロダクション的には最高のメタルサウンドで、この音のよさだけでも興奮できそうなものだ。演奏的にはカイのギターのエモーショナルで究極的にメロディアスなソロは勿論、共にツインリードを奏でるヘンヨのプレイも光っている。そしてダンの激しいドラミング、ディルクの熱いベースもいい感じだ。(雷X)

タグ:GAMMA RAY

『Shambala』 - AQUARIA

2007年09月21日

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  • ジャンル:シンフォニック/メロディックスピードメタル
  • 国籍:ブラジル
  • リリース:2007年9月21日
  • 通算:2ndアルバム
満足度:88

前作において、ANGRAに匹敵する才能を持ちしバンドだと感じたAQUARIAの2ndだ。方向性は全く変わっておらず、爽快なメロディにシンフォニックなアレンジ、プログレッシブな展開、ブラジル民族音楽の要素の導入などは相変わらずとなっている。また、前作のレビューで、ANGRAの2ndアルバム「Holy Land」が好みではない人は、この作品も合わないかもと書いたが、この2ndにおいても同様のことが言えると思う。

前作の神秘的で荘厳なイントロには感動させられたが、今作の意表をついたようなかわいらしいイントロもなかなかだと思っているとすぐにキラーチューンである#2「Heart Of The Gods」が始まる。疾走、キャッチー、シンフォニックと、このアルバムの代表曲として全てが揃った曲であるが、メロディの突き抜け度は前作の「And Let The Show Begin」には劣るかな、しかし複雑なアレンジ、プログレッシブな展開は、好みは分かれるだろうがこのバンドらしくて素晴らしい!

その後の曲は、#8,12を除きはミドルテンポやバラードが続き、パワー/スピードメタラーにはつらい展開となる。一聴して「最高だ」と感じられる曲は前作以上に限られ、何度も聴き込みを要する上に、最初はメロディが少しつまらなくなったかなとも感じられたので、前作を気に入った人、シンフォニックメタルを愛する人にはお薦めできるが、ストレートなメロパワ/メロスピを好む人には残念な作品となるかもしれない。しかしアレンジの練り込みは相当気合が入っており、ANGRAに匹敵すると言えるもので、最初はつまらなく感じても聴き込む価値はあると感じた。

よく聴いていくと、最初はつまらないと思ったメロディは徐々に耳に馴染み、最高のメロディと感じたものもいくつもあった。例えば特に#7「Shambala」の神秘的な雰囲気、壮大なサビメロなんかはぐっと心に響いてくるし、#8「Child Of The Universe」のイントロやサビメロは、FAIRYLANDも思い出させるようなファンタスティックな空気感がつぼにはまる。そして#9「Firewings」のメロディは素直に響く劇メロだ!(雷X 2016/10/15修正)

『Blessed Stillness?』 - BRIDE ADORNED

2004年01月01日

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  • ジャンル:シンフォニックメタル
  • 国籍:フィンランド
  • リリース:2004年
  • 通算:1stアルバム
満足度:88

このバンドの音楽からは、妖艶なコード進行と、哀しみの旋律を歌い上げるヴォーカル・全編に渡り豊富な重厚なクァイアコーラス等々によって、他のシンフォニックメタルバンドと比べて、まるでブラックメタル寄りのサウンドであることが強く感じられる。これはシンフォニック・ブラック・エピックメタルとも言えようか。そんな音楽性は、バロック期(だと思う)のクラシック音楽からの影響が特に顕著で、Yngwie Malmsteenは自らの音楽をバロックン・ロールと表現していたが、このバンドの音楽はバロックン・メタルと形容できそうなものだ。

全体のメロディに「陽」の要素は無く、徹頭徹尾、「哀愁」「陰鬱」「慟哭」そして「美麗」 これらの言葉で表現するのが相応しい旋律美であり、これがたまらない。気になってバンドの国籍を調べると、フィンランドではないか。これでこのバンドのこの音の理由が分かった。あの国は極めて寒く、殆どが夜である「白夜」がある」国だ。そんな国に育った者の精神性が生む音楽はこういった陰鬱なものが多いのは、今までリリースされたフィンランド産の音楽を聴けば明らかだ。

全体の構成は、スピードとパワーだけで押すものではなく、複雑な展開を絡めたプログレッシブなもので、ここからもクラシック音楽からの影響が窺える。その構成力は抜群で、見事に究極の直情ドラマを演出しているといった印象だ。この音楽性からモーツァルト「レクイエム 怒りの日」のような音楽が彼らは好きなのだろうなと思う。

もはや、これは単純な「ヘヴィ・メタル」の域で語るべき音楽ではなく、ギター、ベース、ドラムを主楽器に据えた上でのオペラ音楽/クラシック音楽とも言えよう。全てが構築された作曲、似た方向性を持つ代表的バンドであるRHAPSODYには備わっている、楽曲から感じられるメタル性はかなり薄められ、それは、言葉でむりやり表現すると、ヘヴィ・オペラという印象にとって変わっているように思った。(雷X 2016/10/17修正)

『T.V.Lization』 - SKYSCRAPER

2003年01月01日

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  • ジャンル:メロディックパワーメタル
  • 国籍:ブラジル
  • リリース:2003年
  • 通算:1stアルバム
満足度:88

発売当時クサメタラーの間で絶賛されていた(と記憶している)、少々シンフォニックな要素も含んだメロディックパワーメタルバンドだ。ブラジル出身とのことだが、最初は音楽的にブラジル臭さは強く感じず、欧州のバンドとも言える曲調と感じたが、実力派のヴォーカルが同郷のANGRAを思い出させ、ブラジル出身ということに頷いた。

音楽性は凝った展開を持っていながらもサビでは爽快なメロディというパターンが多く、正直、最初はプログレッシブな上に、サビメロは少々ありきたりでこれはいまいちかな?という印象だったが、何度か聴くと、抜群の構成力とアレンジの楽曲が私を感心させた。

#1「Awaken Night」は、シンフォニックなオーケストレーションのイントロと、一瞬NEMESISを思い出すAメロ〜Bメロの展開にわくわくさせられ、更にサビメロは限りなく爽快な昇天メロディでノックアウトという悶涙曲で、初っ端から最高の気持ちとなれる。#6「Forever Under Lies」の躁メロはありがちと言えるが確かに感動的で、Aメロもストリングスの絡みが美しく、特に素晴らしい曲と言えよう。

そしてこの作品のベストチューンと言えば#11「Insane」に尽きるだろう。終始ストレートなクサメロ疾走曲で、対旋律で絡むヴォーカルとストリングスのAメロ、そしてBメロ〜サビメロのメロディ展開が究極的だ! ここまで完璧な展開は滅多にないだろうとすら思わせられる。ハンガリーの民族舞曲であるチャルダッシュのメロディをアレンジ〜ソロというギターパートも素晴らしく、全てが完璧なメロスピ史上に残る名曲!!

充分に練り込まれた楽曲と共に、サウンドと演奏もこの手の無名バンドとしては素晴らしく、末永く楽しめる作品となっていると言えるが、個人的には、同郷の、同じシンフォニックなメタルを演奏するバンドであるAQUARIAには及ばないという感じで、もう少しガツンと衝撃を与えてくれる曲(例えば#11のような)が欲しいと思った。#12の大作曲も、私の聴き込みが足らないのかもしれないが、少々退屈と感じてしまった。

とは言っても特に「Insane」の素晴らしさにより、買ってよかったと強く思う作品だ。(雷X)

『Hastings 1066』 - THY MAJESTIE

2002年09月23日

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  • ジャンル:シンフォニックメタル
  • 国籍:イタリア
  • リリース:2002年9月23日
  • 通算:2ndアルバム
満足度:87

RHAPSODYなどに影響を受けたと思われるシンフォニック・エピックメタルバンドで、1stアルバムは疾走していなかったが、より広い人気を獲得する為か、疾走曲を盛り込んできた今作。1stの頃からセンスがあると感じていただけに嬉しかった。

中でも5曲目の「The Sight Of Telham Hill」が最高で、民謡調のメロディ、疾走感溢れるAメロ、RHAPSODYの「Emerald Sword」を思い出させるBメロ、そしてクワイアコーラスのサビメロはRHAPSODYとは違い裏打ち疾走で、最強の悶絶度を誇る! 他の曲は5曲目程の印象に残る曲は無かったが、よく聴くと好みのフレーズが随所にある。

他に気に入った極は、1曲目は例によって大仰なイントロ曲でこれを聴くと彼らの作曲能力の高さを窺い知ることが出来る。2曲目はシンフォニックメタルに加え正統派メタルの風格も備えた疾走チューンでいい感じだ。4曲目と8曲目はクラシカル、クワイア、プログレッシブと言える曲で、RHAPSODYの2ndの「The Dark Tower Of Abyss」あたりを思い起こさせ、聴き込むごとに味わい深い。

演奏、サウンドプロダクションもなかなかよく、クワイアコーラスも満載。壮大なスケールのエピックメタルを満喫できるので、RHAPSODY2ndなどが好きならば全編楽しめることになるだろう。(雷X)

『To Travel For Evermore』 - WUTHERING HEIGHTS

2002年01月01日

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  • ジャンル:シンフォニックスピードメタル
  • 国籍:デンマーク
  • リリース:2002年1月
  • 通算:2ndアルバム
満足度:87

日本デビュー盤となる2ndだ。シンフォニックで、プログレッシブな複雑な展開を持つのが最も大きな特徴だが、時折メロスピの如く疾走していたり、大仰だったり、民謡調だったり、クサメロを撒き散らしていたりするのが最高だ。プログレッシブメタルというと、味わいつくすには相当の聴き込みが必要で、敷居が高いという印象があるが、このバンドはクサメロ、疾走パートなどでその敷居を低くしているということが言えよう。

そして特にそれが顕著に顕れているのが#1〜#2の展開で、シンフォニックかつ民謡調のメロディがツボにはまるイントロの#1から、#2「The Nevershining Stones」はキャッチーなメロディに加え疾走感もあるという楽曲で、サウンドはRHAPSODYのような雰囲気も持ち合わせており、繊細なアコースティックパート、コーラス、エンディングの壮大さなど、私のようなメロスパーも大満足の展開で最高だ!

また#8「See Tomorrow Shine」は、初期HELLOWEENを思い起こさせるクサメロと疾走に加え、キャッチーな民謡調メロディを入れてきたりして#2に匹敵する最高の楽曲だ。その他の楽曲も、複雑な展開ながら、最初に書いたクサメロ、民謡調、疾走等の印象に残るパートが多数織り込まれている為に、初めて聴いても素晴らしいと感じる楽曲が多い。

勿論それを実現する作曲力は相当なものを持っているからこそ素晴らしい楽曲として響いてくるのであろう。特に楽曲から感じるドラマ性は他の同様のバンドと比べても突出しているのではないか?と感じるほどドラマティックであり、ストーリーを理解して聴くとまた違った世界が見えてくるかもしれない。

類似した作品を挙げるならば、SECRET SPHEREの2ndのプログレ風味スピードメタルを思い出すところで、加えてFALCONERあたりの民謡調メロディ、RHAPSODYの大仰さなどがミックスされたバンドと言え、プログレメタラーよりも、メロスパー、クサメタラーの方に強くお薦めしたい作品だ。しかしどうやらこの2ndよりも、3rd、4thの評判がいいようだし、この2ndはヴォーカル、サウンド共に素晴らしいとは言えないので、初めての方はそれらが改善されたらしい3rdか4thを聴いたほうがいいのかもしれない。(雷X)

『Rebirth』 - ANGRA

2001年10月24日

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  • ジャンル:メロディックパワーメタル
  • 国籍:ブラジル
  • リリース:2001年10月24日
  • 通算:4thアルバム
満足度:88

バンドの中心人物であったヴォーカルのアンドレ・マトスに加え、ベースのルイス、ドラムのリカルドが脱退したことにより、残るメンバーのラファエル・ビッテンコートとキコ・ルーレイロのギターコンビが、新ヴォーカルのエドゥ・ファラスキを迎え、新生ANGRAとして再出発した作品だ。

荘厳なイントロから導かれるのはいかにもファンが喜びそうなスピードチューンの#2「Nova Era」で、実際にANGRAの代表曲である「Carry On」に匹敵する人気を誇っている。しかし個人的には、サビメロの突き抜けた感覚は「Carry On」に一歩譲り、クラシカルな構成美という点では「Evil Warning」に譲るという感じで、確かに大変素晴らしい曲であるものの、よくあるメロパワ曲という感じが残ってしまった。しかしそれはオレがANGRAならではの強烈なインパクトを期待していたからであり、その期待が無ければ充分に名曲だと感じたであろう。

その後も完成度の高い曲が続くが、アンドレ作曲の曲が無いからか、以前のANGRAで聴かれた、感情を揺さぶるような劇的なメロディが少し物足りないような気がしてしまった。例えば1stなら「Lasting Child」、2ndなら「Holy Land」、3rdなら「Lisbon」のような・・・このアルバムを聴いていてオレは、アンドレ・マトスのメロディ・センスが恋しくなるような感じが常にあった。オレはアンドレが生み出すメロディの独特の質感が好きだったのだということなのかもしれない。

とはいってもクォリティの極めて高い作品であることは間違い無い。サウンドも完璧、演奏も非の打ち所が無く、特に新ヴォーカルのエドゥ・ファラスキの歌唱力は最高だし、キコ・ルーレイロのギターにはあまりのテクニックに唖然とする程だ。楽曲的にも、個人的に、アンドレ・マトスの曲を期待するから上記のようなレビューになるのであって、基本的には素晴らしい曲だらけだ。

例えば#2以外には#7「Rebirth」の劇的な展開とメロディは胸に強く迫るし、#8「Judgement Day」の、ANGRAらしいメロディとストリングスアレンジが見事だ。そして#9「Running Alone」は、アンドレ・マトスと共に作曲を学んだというラファエル・ビッテンコートの作曲力が爆発しているシンフォニックな名曲で、#10「Visions Prelude」のメロディはこの作品中でも突出した感情豊かなもので満足な最後だ。メロディック・メタルが好きならば必聴盤と言える優れた作品となっている。(雷X 2016.10.13修正)

『Jaktens Tid』 - FINNTROLL

2001年01月01日

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  • ジャンル:シンフォニックブラック/ヴァイキングメタル
  • 国籍:フィンランド
  • リリース:2001年
  • 通算:2ndアルバム
満足度:88

民謡調メロディに、スネアドラムやその他の楽器も裏打ち疾走という音楽性から、ポルカ・メタルと呼ばれたバンドだ。ジャンルとしてはシンフォニックブラックメタルとされていたが、北欧のブラックメタル作品独特の冷たい暴虐性は存在せず、どこか楽しさや温かさを感じるのがこの作品の特徴であり、その点ではブラックメタルとは言えないバンドだ。何しろこのバンドの音楽性からは、ブラックメタルらしい悪魔などではなく、森、妖精、ホビットなどがイメージされるのだ!

ヘヴィでスローな#1〜2は少し退屈という感を受けるが、その後が凄い。特に#3「Slaget vid Blodsalv」は、民謡そのもののメロディにポルカのリズムでの疾走が気持ちいい。中盤にはガッツポーズと共に叫び出してしまいそうな悶絶パートもあり、究極のヴァイキング疾走メタルとなっている! 盛り上がらない#1〜2は何だったんだろうと思うほどだ。

また、ポルカ疾走だけではないのがこのバンドの優れたところで、思わず聴き入ってしまうインストの#6「Bakom Varje Fura」等で聴ける、小人が出てきそうな、かわいらいさすら感じる独特の音楽性は他のメタルバンドでは聴いたことがない要素で、新鮮な喜びをもたらしてくれる。また、時折RHAPSODYなどで聴けるような大仰なパートもあるのも嬉しい。

ポルカのリズムや民謡の要素を取り入れ、それをハイクォリティで纏め上げていることから、極めて高い音楽性を備えていると感じる。更に、シンフォニックブラックメタルとしてのアグレッションや刺激を感じるパートもあり、またサウンドと演奏の質も高く、単なる色物に終わらない才能を持っているバンドだ。(雷X)

『The Battle Of The Ivory Plains』 - DRAGONLAND

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  • ジャンル:メロディックスピードメタル/メロディックメタル
  • 国籍:スウェーデン
  • リリース:2001年
  • 通算:1stアルバム
満足度:88

爽やかな劇メロを乗せて大疾走するという音楽性で、アルバム発表当初はメロスパーを狂喜させた作品だ。音楽的にはSONATA ARCTICAに近いと言えるが、疾走曲を聴いていてより興奮するのはこちらかもしれない。最初聴いた時は、ありがちなメロディが多くてまたつまらないバンドか?と思ったりもしたが、聴き込んでいくとメロディの質は高く、疾走感も満点で気に入った。

強烈な疾走曲3曲には、その激烈な疾走感と哀メロにより生み出されるドラマに超悶絶した! 特に1曲目のサビ(DRAGONLAND〜)、4曲目のサビ「We raise〜Carryon」の部分、 10曲目のサビの部分、一旦リズムが変わり、そのあと疾走し、転調するという展開にもっていかれた。また、3曲目のバラードのリコーダーとギターの絡み等をはじめとして、疾走していない曲にも感銘を受けるところが多数あった。(雷X)

『King of the Distant Forest』 - MITHOTYN

1998年10月06日

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  • ジャンル:ヴァイキングメタル
  • 国籍:スウェーデン
  • リリース:1998年10月6日
  • 通算:2ndアルバム
満足度:87

現在はFALCONERを率いるステファン・ヴァイナーホールが中心となって活動していたメロディックデスメタルバンドで、作曲者が同じということもあり、フォーキッシュなメロディには確かにFALCONERと相通ずるものがある。この民謡調のメロディの質と勇壮なコーラスパートがあることから、彼等のサウンドはヴァイキングメタルと呼ばれるようになった。

FALCONERとの相違点はやはりデスメタルならではのスクリーミングや、より激烈なサウンドと言えるだろう。激しいサウンドに北欧のバンドならではの叙情メロディということで、IN FLAMESを想起させることもあるが、あちらはツインリードで慟哭のメロディを奏でているが、こちらは民謡調メロディを歌うように奏でており、これはこのバンドの最大の特徴と言えよう。

特に素晴らしいのが、「Trollvisa」「Under the Banner」で、前者は民謡メタルそのもののインストナンバーで、あまりにも切ないメロディに感動し、最後ヴォーカルが入ってきたときには身震いがし涙が流れそうだ! 後者は他の誰も生み出し得ない独特の旋律を乗せて激烈に疾走する様が極度の興奮をもたらす!

また、「From the Frozen Plains」の、FALCONERを強く思いださせるメロディ、「On Misty Pathways」のイントロのツインリードの後単音と続く印象的なメロディと、このバンドというかステファン独特の素晴らしい旋律美を、熱いヴァイキングメタルサウンドと共に存分に堪能することができる作品だ。

難点を言えば、通して聴いていると、同じようなサウンドが続くので後半少し飽きてしまうところがあることか。しかし民謡調メロディと激烈なサウンドの融合が好きな人にはたまらない作品で、飽きるということも無いかもしれない。(雷X)

『Fireworks』 - ANGRA

1998年07月14日

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  • ジャンル:メロディックパワーメタル
  • 国籍:ブラジル
  • リリース:1998年7月14日
  • 通算:3rdアルバム
満足度:88

生オーケストラを導入するも、クラシック音楽の要素やブラジル民族音楽の要素は影を潜め、自らのルーツであるヘヴィ・メタルを追求した作風となった3rd。よってオーケストラは曲の味付け程度に使用されることになり、1stのようなメタルとシンフォニーの融合というようなパートは見当たらない。

彼等には、凡百のメロパワバンドには成し得ない独特の音世界を期待していたので、その点では少し期待をはずされた作品だったが、全体的な楽曲のクォリティはさすがで、1stのレビューでも私は「元々の音楽性、HELLOWEEN直系のメロディックパワーメタルとしてのクォリティが素晴らしく高いということが最も重要だ」と書いたが、この3rdではそのことを証明するかのように、徹底的にヘヴィ・メタルしている彼らの熱いサウンドを聴く事ができるのでおおむね満足だ。

特に#3「Lisbon」には感動させられた。この曲はとにかく情感が満点、悲哀と激情が曲にたっぷり込められていると感じた。これ程完璧でオリジナリティのあるバラードを私は他に知らない。また、王道メロパワの#1「Wings Of Reality」も、メロディの素晴らしさに加え、オーケストラサウンドが曲のサウンドに深みを与えやはり感動の1曲だ。疾走曲である#3、#9でも、良質のサウンドと相まって興奮は否応でも高まる。

しかし気になったこともあり、折角生オーケストラを導入したのだから、それを思いっきり生かしたコテコテのクラシカルメタルなパートが聴きたかったことと、通して聴いていると、後半スローテンポな曲が続きだれてしまうということがあるのが少し残念だ。(雷X 2016.10.13修正)

『Glory To The Brave』 - HAMMERFALL

1997年06月27日

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  • ジャンル:メロディックパワーメタル
  • 国籍:スウェーデン
  • リリース:1997年6月27日
  • 通算:1stアルバム
満足度:89

音楽性はコテコテのパワーメタルのバンドだが、この1stアルバムの作曲には、あのIN FLAMESのソングライター、イェスパー・ストロムブラードが参加していることが重要で、彼がノーマルヴォイスのメロパワ曲の作曲に関わったとあってこの作品は重要なものと言えるだろう。(2nd以降にもイェスパーは参加しているがこのアルバム程に深く関わってはいないとのことだ)

そのこともあってか、メロディから感じられる哀愁度は満点だ。バンドサウンド以外の装飾を最小限に抑えた正統派のパワーメタルながら、受ける感動は近年の煌びやかなサウンドのクサメタル以上のものがある。その上に正統派メタルが持つパワーも備えている。ヴォーカルは線の細めのハイトーンだが、それはこの作品のメロディには非常に合っていると言える。

まずは疾走キラーチューンの#1「Dragon Lies Bleeding」にノックアウトされるが、他の曲もクサクサの哀愁メロを主張しながらもヘヴィ・メタルそのもののサウンドで熱い! ギターのメロディも冴えまくっている。その中でも#3「Hammefall」はヴォーカルの裏での16分音符でバッキングギターが美しく、#6「Steel Meets Steel」のソロ〜ツインリード〜ヴォーカルが入ってくるまでの展開は極めて美しく、特に2:35〜は感動的!

またバラードの#4「I Believe」と#9「Glory To The Brave」も、泣きメロが爆発の感動的な曲に仕上がっており、特に後者は涙腺が緩む程の感動をもたらす名曲だ! 正統派メタルとしてはヴォーカル、演奏の面で不満が残る作品かもしれないが、マニアックなクサメタルを普段から愛聴しているならば気にならないだろう。何よりもクサメロを愛する人にこそ聴いてもらいたい。(雷X)

『Louis XIV』 - CHROMING ROSE

1990年01月01日

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  • ジャンル:メロディックパワーメタル
  • 国籍:ドイツ
  • リリース:1990年
  • 通算:1stアルバム
満足度:88

これはジャーマン・メタルの名作と言われ絶賛されることも多い作品だ。入手当初はメロディの魅力をあまり感じられず殆ど聴かずに終わってしまったが、改めて聴いてみると楽曲的には初期HELLOWEENを思い起こさせ、絶賛されるのも分かるなと感じた。発表当時はHELLOWEENのパクリ等とも言われたそうだが、パクリ臭はそんなに感じられず、彼らならではのメロディラインを持っていると思う。

バンドサウンド以外の装飾は最小限のシンプルなパワーメタルサウンドで、古きよきジャーマン・メタルの匂いがプンプンと漂ってくる。クサメロ、美麗メロ、激情メロはあまり存在せず、パワフルなメロディとサウンドで激烈に疾走するその音楽性は、最近のバンドで言うとIRON SAVIORのそれに最も近いと言えるだろうか。

また、熱いメロディばかりではなく一風変わったメロディラインを入れてきたり、疾走曲ばかりでもなく、楽曲のバラエティは豊かと言えるだろう。演奏的にも充分なものを聴かせてくれており、特に高音を張り上げるヴォーカルの実力はなかなかのもので、熱いコーラスワークと共に、メタルヴォーカルとして理想的なパートを創出している。

古くからのジャーマン・メタルマニアの内では名曲と言われる#1「Power And Glory」か#5「Louis XIV.」がやはりベストチューンだ。前者は終始激烈に疾走するパワーメタルで熱い! 後者はHELLOWEENでも聴けないような独特のメロディや展開を入れつつ、劇的なメロディを要所でもってくることで名曲となっていると思う。

そして#7「You And I」はオレのようなクサメタラーには嬉しいメロディが存在する楽曲で、サビメロではガッツポーズだ! 最後の#9「Shoot The Fox」はギターソロが素晴らしい。メロスピ・クサメタル大好きなオレにとっては少しつまらない曲もあったが、それでもお薦めできる名作だと感じる。現在入手困難と思われるので、中古CD店等で発見したら入手しておいたほうがいいと思う。(雷X 2016/10/17修正)