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『Temple of Shadows』 - ANGRA

2004年09月06日

CDジャケット画像
  • ジャンル:メロディックメタル/メロディックスピードメタル
  • 国籍:ブラジル
  • リリース:2004年9月6日
  • 通算:5thアルバム
満足度:94

新生ANGRAとしては2枚目のアルバムである通算5枚目。前作が少し期待はずれなところがあったので、正直そんなに期待していなかった。2曲しか疾走していない(疾走パートは4曲に存在)この作品、数回聴いてやっとその魅力を感じることができた。何故、疾走していない曲は大抵「遅い」としてあまり聴かないオレがこの作品に満足したかを書いてみよう。

メロディはやはり、Andre Matosが書いたメロディから受けたような強烈な印象は薄い。よって疾走曲においては、前作の「Nova Era」でも感じられた、「アンドレ・マトスの書いたメロディ程の良さではない」という印象をまずは感じる。そして非疾走曲も、聴きはじめの頃は、すさまじいギタープレイ、凝った展開等の印象はあったものの、これはオレには合わないかも、という感じだった。ところがどうだろう。何度も聴いていくと、疾走していようがいまいが、殆どの曲を気に入ってしまったのだ。それからはアルバム全部聴き終わった時、曲調は異なるが、2nd「Holy Land」を聴いた時のような充足感が常にあった。

この作品で注目すべきは、ヴォーカルメロディやクラシカルな要素よりも、緻密に組み立てられたバンドアレンジと劇的な展開であり、これこそこのアルバムを絶品のものとしている最も重要な要素であると感じた。一部の疾走パートなどを除くほぼ全編にわたる楽器のフレーズと演奏が印象的で、単独パートだけを抜き出してじっくり聴いても楽しめそうだ。そして滑らかでありながら斬新な展開も多数ある。これらがオレの魂を大きく揺さぶったのであろう。多彩なリズムアレンジは難解と評されることが多かった気がするが、オレにとってこれらのリズムは体で存分に感じて楽しめるものだった。このアルバムを堪能すればするほど、この拘り抜いたであろうバッキングの重要性が理解できよう。加えてサウンドの完成度も極めて高い。全てが理想的で隙の無いプロダクションだと思う。もしオレが自分の作曲した音楽を録音することになったら、できればこのサウンドに近づけたいものだ。特に音圧が深いスネアには惚れぼれする。

各曲を聴いていくと、1曲目はイントロ、2曲目はお約束とも言える疾走曲。かなり良くて絶賛されている曲だが、オレにとってはこのアルバムのベストチューンではない。そして次の3曲目に驚いた。変拍子も取り入れ、時に疾走するリズム、特にドラムのそれはものすごいことになっている! 強烈なドラミング、激しく移り変わる気持ちいい展開、そしてメロディも爽快と、アルバムの中で2番目に気に入った! 4曲目は重く響くリズムに、憂いと湿りのある音が融合、またベースとギターの絡みという珍しいものが聴けたりして気に入った。5曲目は壮大なメロディ中心のシンプルな曲だが、よく聴くとアレンジはやはり細かい。6曲目はBPM190ぐらいあるのでは!?というぐらいの速さの爆走曲で、単純に疾走しているだけではないドラミングとに衝撃を受ける。そして2ndの「Carolina IV」を思い出させるクラシカルな間奏もあり絶品! 2曲目よりも好きかも。

7曲目はドラムワークと民族楽器が印象的。情熱がほとばしるギターとパーカッションが彼等らしい。サビメロに向かう展開も最高。8曲目は間奏のストリングスと、EDENBRIDGESabine Edelsbacherのヴォーカルが最高、その他にもヘヴィな音とメロディの融合、メロウなベースラインがいい。9曲目は一部疾走、リズムワークとサウンドで悶絶、10曲目はサビメロの導入部に感動! その後の展開の美しさと切れ味にうっとり。間奏も私には新鮮。オレにとってはこれがアルバムのベストチューンだ! 11曲目は劇的な大作でなかなかいい。12曲目ラストに相応しい雰囲気。13曲目はRPG音楽的な最高にオレ好みのインスト曲。

これらの楽曲の完成度の高さは、前々作を最後に脱退したAndre Matosと共に音楽大学で様々なことを深く学んできたRafael Bittencourtの存在が大きいのだろうと思ったし、そしてバンドメンバー全員がやりたい音楽を徹底的に追求していくことで、このバラエティ豊かな楽曲が生まれたのだと感じた。

ヴォーカルは完璧としか言いようがない。ギターは、世界最高級の技術を持つKiko Loureiroの超絶プレイをはじめとしてこの上ない緊張感を醸し出すパートが多数。ベースのフレーズも楽曲に最適、時には自己主張。ドラムは、バスドラがドルルと鳴っていたりして、色々と複雑なリズムを叩き出すドラムが好きなオレにとっては、非疾走としては最高だと思った。そういえば、6曲目に、メロスピの神様であるKai Hansenが参加していることをすっかり忘れながら聴いていた程素晴らしい。

基本的に疾走好きなオレでさえこの絶賛っぷりなのだ。おそらくオレ以上に感動した者は多いだろう。作曲力、演奏力、豊富な経験、そして研究熱心な姿勢が全て揃って産み落とされた奇跡のヘヴィ・メタルと言えよう! このバンドは、もはやメロパワ/メロスピファン向けのバンドではなく、今後彼らはメロパワ/メロスピファン向けの作品を作って満足することはなく、次回作では更なる挑戦が続けられるだろう。ブラジルの至宝という名に相応しい伝説のバンドとなりうるポテンシャルを、まだ秘めていることを証明した作品だ。(雷X 2016.10.16修正)

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